パニック障害を持っている人にとって、過呼吸というのは切っても切れない部分がありますよね。
私もパニック障害を克服するまでは、発作=極度の緊張や動機、過呼吸という印象でした。
ここではパニック障害による発作と過呼吸について明確な違いについて解説していきます。
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Toggleパニック発作と過呼吸は厳密には違う
まず明確にしておきたいのは、パニック発作というものは、パニック障害によって身体や精神に様々な症状が出てしまっている状態のことを指していいます。
パニック障害の発作は突然の強い不安や恐怖が襲う状態で、通常は数分から数十分続きます。この際に以下のような身体的症状や心理的症状が伴うことが一般的です。
身体的症状には、以下のようなものがあります
- 心拍数の増加
- 発汗
- 手足の震え
- 短気または息苦しさ(過呼吸)
- 胸の痛みまたは不快感
- めまい、ふらつき、または失神感
- 熱感または寒気
心理的症状には、以下のようなものが含まれます
- 死の恐怖
- 自分を失う(解離)感覚
- 現実感の喪失
パニック障害を持つ人は、これらの発作を予測できないため、常に発作が起きることを恐れるようになります。これは「予期不安」と呼ばれ、日常生活に大きな影響を与えることがあります。パニック障害の診断と治療は、医療専門家による評価に基づいて行われます。
上記の様に過呼吸というのは発作の症状の一つということになります。
過呼吸というのは、過度に呼吸をする行為を指します。
パニック障害の発作的に激しい呼吸困難感だけでなく、ストレスなどで呼吸が浅い感じがする人もいますので、そういったものも過呼吸になります。
パニック発作で過呼吸を経験する人の割合
パニック障害の発作中に過呼吸(呼吸が異常に速くなる状態)を経験する人の割合に関しては、様々な研究で異なる結果が報告されています。しかし、パニック障害を持つ人々の中で過呼吸を経験することは一般的であるとされています。
具体的な割合については、文献によって幅がありますが、一部の研究ではパニック障害の発作を持つ人の約50%以上が過呼吸を経験すると報告されています。過呼吸はパニック発作の典型的な症状の一つであり、発作が起こると、多くの場合、不安や恐怖が高まり、それがさらに過呼吸を引き起こすというサイクルが生じます。
ただし、これらの数値は研究によって異なるため、一概に全てのパニック障害患者に当てはまるわけではありません。パニック障害の症状は個人差が大きく、発作の度合いや症状の種類も様々です。過呼吸はパニック障害の診断や治療計画を立てる際に考慮される重要な要素の一つです。
確かに私も含め、多くのパニック障害を経験した人にヒアリングすると過呼吸になっている人は多い印象です。
実はパニック発作が出る前の予期不安の段階から、呼吸が浅くなっていることがとても多い印象です。
パニック発作で過呼吸になる人の多くは、その前段回から過呼吸になり始めている可能性があることは覚えておくとよいでしょう。
事前に自分の呼吸状態に気づいて、気分を変えたり、場所を変えたり、呼吸を緩めたり、体をマッサージして交感神経優位から副交感神経を優位にしていくための行動が過呼吸を抑えていくのに効果的です。
パニック発作を予防していく考え方
パニック発作の過呼吸はしんどいですよね。
これを積極的に予防していくコツとして次の2つのポイントを実践してください。
適度な運動
運動は心身の健康に多面的に良い影響を与え、以下のメカニズムを通じてパニック発作の予防や軽減に役立つと考えられています:
- ストレス軽減:運動はストレスを軽減する効果があります。運動すると体内でストレスに関連するホルモン(例えば、コルチゾール)のレベルが低下し、リラックスした状態を促進します。ストレスが軽減されると、パニック発作の引き金になり得る緊張感が減少します。
- エンドルフィンの分泌促進:運動は「幸せホルモン」とも呼ばれるエンドルフィンの分泌を促進します。エンドルフィンは自然な痛み止めの効果があり、気分を改善する作用があります。これにより、不安やうつの症状が軽減され、パニック発作の発生リスクが下がる可能性があります。
- 自律神経系の調整:運動は自律神経系のバランスを改善する効果があるとされています。パニック発作は自律神経系の過剰反応と関連がありますが、定期的な運動によりこの反応が調整されることで、発作の頻度や強度が軽減されるかもしれません。
- 自己効力感の向上:運動を続けることで、自己効力感(自分の行動で望む結果を得られるという信念)が高まります。これは、パニック発作やその他の不安障害に対処する際にも役立ち、自分自身で症状をコントロールできるという感覚を強化します。
- 睡眠の質の改善:適度な運動は睡眠の質を改善することが知られています。良い睡眠は全体的なストレスレベルを下げ、不安を管理するのに役立ちます。不安が軽減されると、パニック発作のリスクも低下します。
適度な運動にはこれらのほかにもさまざまな健康効果があり、心身の健康を維持する上で重要な役割を果たします。ただし、運動を始める際には、特にパニック障害を抱える場合、医師や専門家と相談することが重要です。運動の種類や強度、頻度など、個人に適したプログラムを設計することが、最大の効果を得るためには不可欠です。
マインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想がパニック障害に良い理由は、その心身に対する多面的なポジティブな影響に基づいています。
マインドフルネス瞑想は、現在の瞬間に意識的に集中し、判断せずに受け入れる練習を通じて、不安やストレスを軽減し、精神的な安定性を高めることを目指します。以下は、マインドフルネス瞑想がパニック障害に良いとされる主な理由です。
- ストレスの軽減:マインドフルネス瞑想はストレスを軽減する効果があります。ストレスはパニック障害の重要なトリガーの一つであり、ストレスレベルが低下することで、パニック発作の頻度や強度が減少する可能性があります。
- 感情の調整:マインドフルネス瞑想は感情の調整能力を高めます。瞑想中に現れる感情や思考を観察することで、感情に対する自己の反応をより良く理解し、感情に圧倒されることなく対処する方法を学びます。
- 自律神経系のバランス:マインドフルネス瞑想は、交感神経系(「戦うか逃げるか」の反応を担う)と副交感神経系(「休むと回復」の状態を促進する)のバランスを改善することで、リラックスした状態を促進します。これにより、パニック発作時に過剰に反応する自律神経系の活動を落ち着かせるのに役立ちます。
- 注意力の向上:マインドフルネス瞑想は注意力を高め、集中力を向上させます。これにより、不安や恐怖に対する過度の反応を抑え、現在の瞬間に集中することが容易になります。パニック障害の患者はしばしば将来の不安や過去の出来事に囚われがちですが、マインドフルネスは現在に焦点を当てることを助けます。
- 解離の減少:パニック障害を持つ人々は時に自分の体や周囲の環境から離れた感覚(解離)を経験することがあります。マインドフルネス瞑想は、自分の体や呼吸に意識を向けることを通じて、このような解離感を減少させるのに役立ちます。
- 予期不安の管理:パニック障害の人はしばしば次の発作への恐怖(予期不安)に苦しみます。マインドフルネス瞑想は、このような不安感を受け入れ、現在の瞬間に集中することを通じて、それに対処する新たな方法を提供します。
マインドフルネスに関しては、注意点があります。
パニック障害の不安が強すぎる時に無理にやろうとしても集中できないケースがあります。
それはそうですよね。パニック発作の恐怖があれば、なかなか瞑想するというのは人によっては不安が先行してしまって集中できないことがありますよ。
ですので、その場合は運動やウォーキングでも良いですし、お風呂に入って気分を変えるような行動も良いです。
無理に瞑想をする必要はなくあくまで補助的なものと思っておいてください。
とはいえ、瞑想に入れる状態を経験すれば、かなりパニック障害にプラスになる側面もあるので、緊急時以外では活用していくことをお勧めしています。
まとめ
- パニック発作とはパニック障害における症状全般
- 過呼吸とはパニック障害の症状の一つ
- 過呼吸はパニック障害に限らずストレスでも起こりうる
- 対策には運動や瞑想が補助的効果としてお勧め
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