パニック障害の発作に苦しんでいる人からよくご相談を頂きます。私自身、パニック障害の発作には散々な目にあった経験があります。
今では完璧なまでに克服し徹底的に回復プログラムを研究し実践し、クライアント様を回復させてきました。
今日は急な過呼吸などのパニック発作の時に、具体的に何をしていくと良いのか?その点について解説していきます。
発作に悩んでおられる方の希望になる内容になればと思います。どうぞ最後までじっくり読み込んでください。
Table of Contents
Toggleパニック障害の発作、緊急時の対処法
まずパニック障害の発作の時にはどのような対処法が医学的には勧められているのか?
その点をあなたはご理解されていますでしょうか?
まずは基本がどうなっているのか、そこを確認していきたいと思います。
医学的に勧められているパニック発作の対処法を以下に記します。
医学的な基本情報としてまずは押さえておいてください。
この情報の後に、私からの提案とその理由について解説していきます。
医学的に勧められているパニック発作の対処法
パニック障害の発作に対する医学的に推奨される対処法には、次のような方法があります。これらの方法は研究に基づいており、緊急時に役立つことが示されています。
1.深呼吸
パニック発作中には過呼吸が起こりやすく、これが不安をさらに悪化させることがあります。深呼吸は過呼吸のサイクルを断ち切り、心拍数を落ち着ける効果があります。深く、ゆっくりと腹式呼吸をすることを心掛けてください(Jerath, R., Edry, J. W., Barnes, V. A., & Jerath, V. (2006). Physiology of long pranayamic breathing: neural respiratory elements may provide a mechanism that explains how slow deep breathing shifts the autonomic nervous system. Medical Hypotheses, 67(3), 566-571)
2.マインドフルネス瞑想
マインドフルネスは、現在の瞬間に焦点を合わせ、判断せずに体験を観察することで、不安やパニックを和らげるのに役立ちます。研究によると、マインドフルネス瞑想はパニック障害の症状を減少させることが示されています(Kabat-Zinn, J., Massion, A. O., Kristeller, J., Peterson, L. G., Fletcher, K. E., Pbert, L., … & Santorelli, S. F. (1992). Effectiveness of a meditation-based stress reduction program in the treatment of anxiety disorders. American Journal of Psychiatry, 149(7), 936-943)
3.リアリティチェック
パニック発作の際には、自分が何を経験しているのかを自分自身に思い出させることが重要です。これは「リアリティチェック」と呼ばれ、現在の状況が実際には危険ではないこと、そして経験していることがパニック発作であることを認識することで、不安を和らげることができます。
これらの対処法は、パニック発作の緊急時に役立つことが示されていますが、個人の状況や健康状態によって適切な対応は異なる場合があります。専門家と相談し、自分に合った方法を見つけることが重要です。
研究元
– Jerath, R., Edry, J. W., Barnes, V. A., & Jerath, V. (2006). Physiology of long pranayamic breathing: neural respiratory elements may provide a mechanism that explains how slow deep breathing shifts the autonomic nervous system. *Medical Hypotheses*, 67(3), 566-571.
– Kabat-Zinn, J., Massion, A. O., Kristeller, J., Peterson, L. G., Fletcher, K. E., Pbert, L., … & Santorelli, S. F. (1992). Effectiveness of a meditation-based stress reduction program in the treatment of anxiety disorders. *American Journal of Psychiatry*, 149(7), 936-943.
上記の内容に関する筆者の見解
上記の3つの対処法に関して、私の見解を述べさせてください。
あくまで私見ですので参考程度に留めてほしいとは思いますが、上記の3つの対処法は一定の研究成果に基づいていますので、適当な対策よりは確かではあると思います。
とはいえ、パニック障害の発作を何度も経験した私としては、次の2つに関してはちょっと無理でしょと感じます。
それがマインドフルネス瞑想とリアリティチェックです。
マインドフルネス瞑想に関しては、急な発作時の対処法としては、はっきり言って容易ではないですよ。
これは予防策や回復プログラムとしては素晴らしいものですが、緊急時に瞑想をするというのはどうにも無理があると私は考えます。そんな悠長な余裕は発作時にはありませんからね。
そしてもう一つが「リアリティチェック」です。
これも発作が出ている最中にやるとういのは、一定程度発作に慣れてきた人でないと容易ではありません。
発作中に、冷静にこれができるのは、相当レアであると発作経験者としての私は考えます。それができれば確かにパニック障害は良くなると思いますが、個人的な経験と、多くのパニック障害者の方の回復過程を見てきた私としては微妙な印象です。
ただ予防策や発作が起きていない通常時にこれらを習慣化することができればパニック障害の回復には有効であると考えます。
その理由は、普段からリラックスするための訓練になるからです。災害時の避難訓練と同じで、訓練というものは本番で練習できませんよね。平常時に練習するからこそ、訓練の意味があります。
ですからマインドフルネス瞑想やリアリティチェックに関しては平常時から取り組むことをお勧めします。
とはいえ、パニック障害を発症して間もない方の場合、相当な恐怖と対峙することになります。そういう場合はドクターや私のような専門の心理カウンセラーを頼って安心材料を増やすことも回復のためのカギになります。
まずはここまでが医学的エビデンスに基づく対処法と、私見とその根拠を解説いたしました。
では次では私がお勧めするパニック障害の発作の対処法について解説していきます。
筆者がお勧めするパニック障害の発作時の対処法
単刀直入に私がお勧めする対処法にはいくつもありますが、ここでは個人で簡単にできる方法の1つをご紹介します。
具体手には発作時には次の行動を取ってください。
発作時はじっとせず可能な範囲で歩く(足踏みでもOK)
これは正確に言えば、歩くべきとというより、じっとしない方が良いという意味です。
なぜ歩くのかというとちゃんとした理由があります。
というのは、パニック障害の発作の時、大半の人が縮こまって動けなくなったりします。
発作時にこうして動かなくなることを「安全行動」と呼びます。
安全行動をとってしまうのは、パニック障害の発作に対しては逆効果です。これはじっとすることで恐怖をダイレクトに感じてしまうことになり、意識が恐怖で支配されてしまい相当に苦しいのです。
ですので、発作時は可能であれば歩くことで筋肉の萎縮と心の萎縮を避けることが良いです。
歩くことが容易ではない場合は、その場で足踏みをしてください。これだけでも、じっとして萎縮するよりも発作を脱出する時間が早くなります。
目はなるべく上を向くこと
もし可能であれば、歩くか足踏みをしながら目はなるべく上を向きましょう。なぜなら、目を下に向けたり、目を瞑ってしまうと恐怖を倍増させてしまうからです。
人間の眼球は下を向くときは感情や感覚を感じやすくなる性質があります。
気分的に落ち込む人が下を向くのも同じ理由です。上を向いているほうが気分は上がりやすいのです。
まとめ
医学的エビデンスに基づく発作の対処法
- 深呼吸
- マインドフルネス瞑想
- リアリティチェック
筆者の見解としては2と3は緊急時には現実的でないと考える。
筆者お勧めの対処法
- 可能な範囲で歩く(足踏みでも良い)
- 下を向くより上を向く
※これでも緊急時はにはできない人もいます。
そういった方には私のパニック障害に特化した専門の心理カウンセリングをお勧めしています。
他にもまだまだやれることやポイントがあります。
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沢山の方がご登録され、希望の道を切り開いています。