うつ病の人は感謝が足りないのか?

うつ病の人は感謝が足りないという意見があるが?

ネットを検索していると「うつ病患者の方は感謝が足りない」という意見がちらほら出てきます。

感謝が多い人ほど幸福感が高く、感謝が少ない人ほど逆に欲求や不満が多いというのであれば、私としてもよく理解できます。


だから、うつ病は感謝が少ない人ほど罹患しやすいというのも一定の理解はできます。

一応、以下に医学的エビデンスに関する情報を載せておきます。

うつ病患者における感謝の効果は、心理学的枠組みの中で調査されています。医学的エビデンスとしては、例えば『Journal of Positive Psychology』の研究では、感謝日記をつけることでうつ病の症状が軽減する可能性が示されています。この実践はポジティブな感情を増加させ、悪循環を断ち切る効果があるとされていますが、治療法としての確立はまだ初期段階です(Wood, A. M., Froh, J. J., & Geraghty, A. W. A., 2010)。

とはいえ、表現の問題でもあるとは思うのですが、うつ病患者のすべてがいかにも感謝ができない人かというと、そうではないため、誤解しないようにお伝えしておきたいのです。
何事においても例外はありますからね。


それに、うつ病になった原因はともかく、みなさんきっかけはバラバラです。
脳のキャパがオーバーヒートして発症した人もいれば、自己肯定感が低かったり、育った環境が良くなかった影響が色濃い人もいるわけです。

うつ病の発症要因は多岐にわたる。脳の過負荷や低い自己肯定感、育った環境の影響、発達障害や学習障害による適応困難などが関係していることが指摘されている。原因は人それぞれで一概には言えないのです。


その他にもいくらでも要因なんてありますよ、発達障害の影響で他人と馴染めなかったり、学習障害から自己否定感が強くなって反すう思考で悪化してしまったり、数え上げたらきりがありません。


なので、一概にうつ病になる人は感謝が足りないといった言葉で、どこか責め立てられてるような印象では受け取らないように気を付けてください。

 

うつ病の人は無理に感謝をしようと思わなくていい

私の持論ですが、うつ病患者の方に、いきなり感謝をしましょうなんて頓珍漢なことは言いません。
うつ状態の時に感謝できたらそれは凄いことですよ。

世界がグレーに見えているさなかに、よくそんなこと言えるなと思ってしまいますよ。

もしあなたがうつ状態になっているのであれば、優先すべきは感謝ではありません。
無理に感謝しなきゃって自分を追い込まないでください。
感謝ができない自分はダメだってやってしまうことがもう逆効果になってしまいます。

まずは自分自身のすり減ってしまった心と身体を休ませることです。

そしてひとまずの安全や可能な限り安心できる空間を創ること。

睡眠をしっかり確保し、生活リズムを安定させることが最優先です。

メンタル面などは、そこから徐々に取り組んでいく方が状態は上向きやすいです。

もちろん、今現在、明確に抱えているストレスや心残りなどがあれば、それは心理カウンセリングなどを活用し取り除いていくことをお勧めします。

ポイントを以下にリストアップします。

 

    • 心と体を休ませる

    • 安心できる環境を整える

    • 睡眠リズムを安定させる

    • ストレス源を明確にして取り除いていく

    • 必要であれば心理カウンセリングを活用する

    • 自己否定感に流されず、無理に感謝を強制しない

    • 基本的な自己ケアを続ける

感謝は先と言う人もいますが、心が緊急事態の時に感謝はできません。

例えば頭痛でしんどい時に、感謝しましょうって言われてもできますか?
それと同じことです。

無茶言わんといてくださいって感じですよね。

まとめ

 

    • うつ病の人は感謝を考える余裕はない方もいる。

    • よって無理に感謝を増やそうとしなくて良いでは。

    • まずは落ち着ける環境を整えましょう。

    • 考え方、捉え方に課題を感じる場合は心理カウンセリングがお勧め。

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