とかく日本の社会全体に言えることですが、多くの人が人の目を気にしすぎ。
なんでこんなに人の目を気にする世の中なのかを考えると親の過干渉にも関係があるでしょう。
親が心配や干渉をし過ぎています。
ネグレクトなど親の育児放棄も問題ですが、過干渉もかなりの問題です。
親の過干渉は子どもにストレスがかかってしまい、かなりの我慢を強いられてしまうため、いつしかお子さんが自分らしくなくなってしまいます。
過干渉が原因でうつ病になっている人も沢山います。
ここではうつ病患者にも影響を与えたであろう親の過干渉について解説していきます。
Table of Contents
Toggle親子関係に関する良い考え方
良い親子関係というものは親の不機嫌で子どもをコントロールしない関係です。
親と子、互いに尊敬し合って話し合える関係が理想です。
自立と依存の関係でいうと
例えば赤ちゃんなら親子の依存度は100%です。
でないと赤ちゃんは生きていけません。
5歳なら親子の依存度は75%
10歳の子どもなら50%
20歳なら親子の依存度は0%であるのが理想です。
逆に親子の信頼関係というものは
20歳に向かうにつれて
100%に成熟していく関係が理想です。
この世界は常にバランスの法則があります。
無関心も過干渉も偏っています。
親子の距離感を最適化しましょう。
親子の距離感の取り方
親子の距離感の取り方は世代によっても微妙に違いますが、共通して押さえておきたいポイントをピックアップします。
1.子どもと親は別人であることを認識する
よくいらっしゃるのが、親が子どもと一心同体と思い込んでいる場合です。
子どもには親とは全く違う人格があります。人格が違うことを明確に切り分ける必要があります。
この線引きができない親が過干渉をやってしまいます。
これはとても大切な視点です。
2.親の理想を押し付けていないか確認する
親の理想を押し付けてしまっている親がいます。少なくとも12歳前後くらいからは、子どもにいろんなことを決めてもらうような対応ができると、自立を促しやすくなります。
3.親が自分のテーマ(課題)を持つ
子は親の背中を見て育つという言葉がありますよね。
親が勉強ぎらいだと子も勉強嫌いになりやすいです。
親が何かに夢中になって取り組むような課題を持っていると、子もその影響を受けやすいものです。
親が人生を楽しんでいて、それを子と分かち合ったり、親が独自の課題に取り組んでいて、子どもと同じ空間で勉強したり、それぞれの課題に取り組むなんて時間があると、お子さんの好奇心や成長マインドが育ちます。
親の過干渉の研究をピックアップ
親の過干渉が子どもに及ぼす影響については、多くの研究がなされています。以下に代表的な研究をいくつかピックアップしました。
1.古賀菜穂子・柏木惠子(2009)「親の心理的統制と青年期の自己評価および適応との関連」 東京大学大学院教育学研究科紀要
親の心理的統制(過干渉)が青年の自己評価の低さや不適応につながることを実証。適度な自立性が重要であることを指摘。
2.加藤弘通・安保英勇(2015)「母親の過干渉・過保護が青年の自己評価と対人関係に及ぼす影響」 広島大学心理学研究
母親の過干渉・過保護が青年の自己評価の低下や対人関係不安を高めることを示した。適切な自立支援の必要性を説く。
3.鈴木伸一(2004)「思春期青年の問題行動と母親の養育態度及び親子関係の因果モデル」 教育心理学研究
母親の過干渉的養育態度が青年の非行や問題行動を予測することを経路分析で示した研究。
4.藤垣郁子(2013)「母親の干渉が大学生の自己評価と精神的健康に与える影響」 日本家政学会誌
母親の過干渉が大学生の自己評価の低さ、うつ傾向などに関連することを実証した研究。
いかがでしょうか。
このように、親、特に母親の過干渉が子どもの自己評価、適応、精神的健康に負の影響を及ぼすことが多数示されています。
上記の研究に関しては、母親の影響ばかりが掲載されていますが、父親の影響も当然子どもには影響します。
父親がアルコール依存症であったり、DVをしたり、うつ傾向にあれば当然その子どもにも影響しやすいのは当然です。
なので、社会的には親と子の両方の心理教育やフォローをしていく必要があるのです。
私のもとにも、親子でお越しになられる相談者様もいらっしゃいますし、ご夫婦で心理ワークをやったりすることで、お子さんにも良い影響を与える事例も数多くあります。
やはり親が楽しく人生を送っていないと、その子どもに影響しますからね。
「他人を変えたければ、自分が変われ」という心理学定番の言葉は、つくづく真理だなと思う次第です。
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